■産後の子宮脱・子宮下垂とは、どんな病気なのか?
子宮脱とは、簡単に言いますと骨盤の中にある子宮や膀胱などの臓器が下がってきてしまう【骨盤臓器脱】の一つで、子宮が腟内や腟口から外へ脱出してしまう病気です。
しかし、
■産後の骨盤臓器脱の原因は?
子宮脱や子宮下垂になりやすい方は、もともと骨盤底筋の力が弱い方が多く、極端にやせている、肥満気味の方、便秘、トイレに行くのをいつも我慢してしまうような生活習慣の方、運動不足の方など、その可能性は高いです。
また、妊娠中の体重増加、大きな赤ちゃん、難産だった方などは、骨盤底の筋力が衰えやすく、子宮脱や子宮下垂ばかりではなく、尿漏れなども酷い状態になりやすいです。
また、出産後は女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少するために靱帯や骨盤底筋も緩み、より子宮脱や子宮下垂にもなりやすいのです。
■子宮脱や子宮下垂になりやすい人
産後は、子宮脱や子宮下垂になりやすい状態ではありますが、さらに以下のような要素をもたれた方は発症する可能性が高くなる傾向にあります。
・肥満・産後太りの人
・いつも便秘で強くいきんで排便している人
・多産の方(3人以上出産)
・大きな赤ちゃん(3500g以上)を産んだことがある人
・高齢(35歳以上)で出産した人
・重いものを持ち上げたり立ちっぱなしのことが多い人
■産後の子宮脱は予防できるのか?
子宮脱は子宮下垂が悪化して起こります。初期の子宮下垂だと自覚症状がないことも珍しくありませんが、子宮脱になると明らかな違和感を感じます。
お風呂に入った時などに、股の間に触れた時、ピンポン玉のようなものに触れて気づく方も多くいらっしゃいます。そのまま放置して病状が進むと、膣から飛び出してしまった子宮脱になる可能性もあります。
排尿障害、排便障害も引き起こすので、おしっこの頻度が多くなりおもらしをしてしまうこともよくあります。
便秘や腰痛、性交痛でお辛い思いをする方も少なくありません。こじらせて膀胱炎や腎臓病になる可能性もあります。
命にかかわるような非常に重たい症状ではないのですが、症状が進んでいくと日常生活を過ごす上でも大変なことも増えていくこともあります。そうならないように生活習慣などを気をつけ、予防をしていきましょう。
・妊娠前から適切な体重コントロールすること。
・生活習慣を改善して、
・毎日、約20分くらい歩くこと、適度な運動。
・バランスのよい食生活。
・腹圧をかけないようにする。(便秘や慢性的な咳を解消)
・骨盤底筋体操をおこなう。
※骨盤の下側を骨盤ベルトなどで適度に支えて正しく締めてあげて骨盤底筋体操を行えるとさらによいです。
また、骨盤底筋は女性ホルモンが深く関係しているとも言われています。女性ホルモンのエストロゲンの減少によって骨盤底筋が緩んでしまうことにもつながっていくこともあります。
エストロゲンの減少によって骨盤底筋が緩んでしまうことにも繋がることも考えられます。
規則正しい生活を心がけ、呼吸を整え、自律神経のバランスを整えてあげることも骨盤臓器脱・子宮脱の予防にも繋がっていくのです。
骨盤底筋体操は、
■産後に積極的に行ってあげたいこと。
出産直後は、骨盤底筋はとてもゆるんでいる状態になって
骨盤底筋体操・骨盤臓器脱体操については効果的な骨盤臓器脱体操の仕方>>>を参考にご覧になってみてくださいね。
■産後のママは無理をしちゃダメ!【産後の無理は更年期にまで影響?!】
産後一ヶ月は、パジャマで過ごすくらいの気持ちで良いのですね。体は元気であっても、骨盤底は弱っていますし、骨盤は開いてしまっています。
普段は、開かない骨盤が開くのは、特別なホルモン(リラキシン)が出て筋肉・靭帯などを緩めてくれるているからです。
普段は「広がっていない部分」なのですが、「妊娠中」「産後」は特に骨盤が広がりやすくなっているために骨盤にくっついている筋肉や靱帯が余計に引っ張られたりすることで「痛み」が出てきたりもします。
産後は特にご自身の体を大切にされてくださいね。
また、「骨盤底」を回復させるためには養生は欠かせません。
この骨盤底が元に戻りきらないと、後々老化などで筋力が衰えた際に骨盤底から子宮などの臓器が脱出し、子宮脱になってしまったり、尿漏れ、子宮下垂などの原因にもなってしまいます。
また、東洋医学ではこの期間、骨盤にストレスを与えることはその後の女性の心身に影響を与え、
更年期の症状を複雑化するとも言われています。
ご高齢者に、骨盤臓器脱が多いのは、ホルモンや、靭帯の損傷のせいというより、出産などをきっかけに、
骨盤の下側が広がってしまうこと、骨盤底筋の衰えによって起こることはとても多いようです。
その他にも、開いた骨盤がそのままになってしまうと姿勢が悪くなってしまった
■産後は何をしちゃいけないの?
ママの産後の肥立ちが良いことが、大切な赤ちゃんにとっても一番幸せなことですね。
産後の肥立ちが悪いと年を重ねてから体に支障が出てきてしまう可能性もとても高いので、周りにご家族など頼れる環境が整っているのであれば遠慮せずに頼ってくださいね。
赤ちゃんの1か月検診まではゆっくりするイメージですね。
・重いものを持つことも控えましょう。
・おなかを締めつけるものも、腹
・上のお子様を抱っこしたりするのもなるべく座ったままにしましょう。
・なるべく長時間歩き続けたりしないようにしましょう。
※重いものを持つとき、おなかに力を入れますが、
産後のママは「赤ちゃんよりも重いものを持ってはいけない」とも言われていますね。
以上、何か一つでもお役に立てましたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
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