子宮脱 膀胱瘤 直腸瘤の治療【2019年版】
子宮脱 膀胱瘤 直腸瘤の 治療方法について、日々整体をさせていただく中で整体の専門家としての一つの参考までにまとめてみました。
本当に多くの方がお悩みで、でも恥ずかしく、周りのご家族様や、病院では言えず、長年一人で抱えていらっしゃる方が多いです。
ご姉妹で骨盤臓器脱になられている方も結構多くご相談いただきますし、3つとも内臓器が股の間から出てきているという方も、本当にたくさんいらっしゃいます。
以下は、ひとつの参考になさってくださいね☆
※ 2018年2月3日 加筆修正。「その他の治療方法」追加。
骨盤臓器脱の治療については、大きく分けて2つあります。
1,手術以外の方法
2,手術
です。
まずは、手術以外の方法について。
骨盤臓器脱 手術以外の方法
生活習慣の見直し
①肥満の解消(体重を減らす)
食事の調整、運動など。
②腹圧をかけない生活(便秘の解消、慢性的な咳を解消)
便秘を解消、慢性的な咳を解消すること、骨盤臓器脱 整体で腹圧がかかりにくくするために、胸郭やおなかの部分の空間を広げ腹圧がかかりすぎない身体にします。
ストレスを0にすることはできませんが、ストレスに強くなる身体を目指して過度な腹圧を下げることも大切です。
不安や心配事が強すぎると腹圧が強くなる傾向もあるのではないかと思います。
③骨盤底筋体操(ケーゲル体操または尿漏れ体操)
通常の骨盤底筋体操(こつばんていきんたいそう)のみで、改善できれば一番良いのですが、この体操だけでよくよくなる方は、かなり少ないのではないかと思います。
年齢に応じて骨盤底筋体操の効果が変わってくるという研究結果も目にしたことがあります。
簡単にまとめると、年齢が若ければ若いほど、改善しやすい傾向があるということですね。
装具や骨盤ベルトなど
①膣内装具(ペッサリー、イントロールなど)
ペッサリーリングという、膣から子宮や膀胱がでてこないように、入り口にリング状のものをはめ込むという方法です。
避妊具用のペッサリーを使用することもあるようですが、いくつかの種類があります。
合わないものを使用してしまうと、骨盤臓器脱は治っても、尿失禁(腹圧性)の症状が出てしまうことがあるそうです。
膣の中の炎症を防ぐために、自己着脱で使用の指導を受ける病院様が多いようです。
朝~夕方のみ装着の場合や、気になるときのみ装着の場合など個人差があるようです。(例:四谷メディカルキューブ様)
人によっては違和感を強く感じる方もいます。
また、膣の炎症をおこしやすく、出血やオリモノの増加がしばしばおこるので、3~4ヶ月毎の定期的な交換が必要のようです。何らかの理由で手術を受けられない方、手術までの待機期間の方などに使用が限られます。
あくまで補助的な矯正器具で、根本的な治療法ではありません。
イントロールとは、膀胱頸部 支持用具のことを指します。膀胱瘤の方が使用する装具のことですね。
②フェミクッション(骨盤臓器脱用 治療用具)
子宮脱や膀胱瘤など、骨盤臓器脱(性器脱)の医療機器「フェミクッション」というものがあります。
販売店:株式会社 女性医療研究所 http://www.urogyne.jp/
リングペッサリーが適さない方、手術無しで改善・緩和を望む方が使用されているようです。
私自身は、(現時点で)使用したことがありませんが、お客様から「フェミクッションを使用したことがあります」、「現在使用していますが以下の骨盤ベルトと併用可能ですか?」というお声をちらほら耳にします。
③下半身美人ベルト(骨盤の下側の広がりを正常な位置に戻す骨盤ベルト)
日本骨盤臓器脱研究所(母体は、バランス工房)より推奨しております骨盤ベルト(骨盤バンド)です。
なぜ骨盤ベルトで骨盤臓器脱がよくなるのか?や、詳しくについては、こちらよりご覧頂けます。→ 膀胱瘤の場合 >>> 、子宮脱の場合 >>> 、 直腸瘤の場合 >>>
非常に多くの方にご使用いただいて、日々、お喜びのお声を頂戴しています。
(ご使用いただいておりますみなさま全員からご使用の状況、効果について確認できておりませんが、日常生活で問題なく歩ける方に関しては、現時点では、みなさん多くの方が、良い状態になられていると、ご報告いただいています)
正しい位置で、心地よく数ヶ月間 装着して歩くことで、効果をより発揮します。
骨盤臓器脱を自力で改善・緩和を望まれる方のための方法としては、多くのみなさまの明るい希望の光になると信じています。
骨盤臓器脱 手術の種類
外科手術は、大きく分けて3種類あります。
1,従来法(非メッシュ手術) → 20~30%再発 子宮を取らない方法も有り。
2,経腟 メッシュ手術(TVM手術) → リスク=痛みや、メッシュの露出。(フランスのデータでは3~6%再発)子宮を取らない方法も有り。従来法と比べると、再発率が低い。
3,腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術(LSC手術)(2016年4月~保険適用)最新の方法
子宮、膀胱、直腸には支えている筋肉や靱帯が1つから複数緩むことによって、膣から脱出してきます。
ですので、緩んだところをみつけて補強することが手術の基本となります。
一般的には、骨盤臓器脱の初期はどこかひとつの臓器がでてきますが、そこだけを補強すると(例:膀胱)、手術後に他の部位に負担がかかって、別の臓器(例:直腸)がでてくることがよくあるそうです。
ですので、手術のときには骨盤の底にある筋肉、筋膜、靱帯群をバランスよく修復することが大切になるようです。
1,従来法(非メッシュ手術)
1,の非メッシュとはメッシュを使わないという意味です。
ご自身の組織を使って手術を行います。
メッシュを使う手術に比べて、再発率が高い(20~30%以上とも)と言われています。
別名を「メッシュ不使用の経腟的 骨盤臓器脱 修復術」とも言います。
「経膣」とは、直接 膣を通じて手術するという意味です。
具体的には、以下の4つなどがあります。
① (前・後)腟壁 形成術
膣壁 形成術って何でしょう?それは、出産・加齢などで締りがわるくなった膣を締めるための手術です。
膣から子宮を摘出し、「膀胱と膣の間の筋膜」および「直腸と膣を支える筋肉」を補強する術式(膣式 子宮 全摘術+
子宮摘出手術をしたあとに行う手術でも、同じように呼ばれます。
(子宮が無くなったことで、膣の形が崩れるため、それを防止するための手術でもあります)
手術は、局所麻酔または硬膜外麻酔で1時間半程度のようです。
手術後の抜糸は、必要ないようです。シャワーは3日後、性交は4-6週後より可能といわれています。
(病院により差があります。詳しくはかかりつけの病院にて、担当の先生から説明を受けてくださいね)
「膣式 子宮 全摘術」+「前後 膣壁 縫縮術」というように、術式を2つや3つ合わせて行う病院もあるようです。
↑膣から子宮を摘出し、膣と膀胱を支えている筋膜を縫縮(ほうしゅく)、最後に、直腸と膣を支えている筋肉(肛門挙筋)を補強する手術です。
子宮を摘出するために子宮を支えている靱帯、筋膜を補強しやすいといった利点があるそう。
膣壁以外には傷が残らないため、美容上もすぐれているとのこと。手術後は、約10日間で退院となるようです。
現在、保険が適応となり値段は、約22万円ほどの負担となるそうです。(例:日本医科大学付属病院)
② 経腟的 子宮 仙棘靱帯(せんきょくじんたい) 固定術
「子宮頸部 仙棘靭帯 固定術」、「膣上端 仙棘靭帯 固定術」、「子宮頸部 仙棘靭帯 固定術」、「膣 仙骨前面 固定術」などとも呼ばれます。
「子宮」または「子宮摘出後の腟断端」を吊り上げ、仙骨前面の靱帯
仙棘靱帯(せんきょくじんたい)の写真を追加してみました↓
骨盤を後から見た状態での仙棘靱帯の位置です。オレンジの部分です。
(骨盤模型にビニールテープを貼って、オレンジに塗ってみました)
前から骨盤を見たときの仙棘靱帯の位置です ↓
拡大すると ↓
骨盤横向きの写真 ↓
オレンジの部分の靱帯に、糸をかけて臓器をつり上げる方法なのですね。
イメージ沸きますでしょうか?
主に、膣 後壁(小腸瘤・直腸瘤)の下垂(垂れて下がる)に行う術式です。
詳しくは、腟の後壁の粘膜の一部をフラップ状にして、腟の後上方にあるこの仙棘靭帯に糸でつり上げる方法です。
③ マンチェスター手術
子宮脱に対する古典的手術です。
子宮は摘出せず、延長した子宮頸部(子宮と膣のつなぎ目の部分)の一部を切除して、子宮を支えている靱帯の補強を行う方法です。
将来、妊娠を希望される方などに用いますが、
④ 膣 閉鎖術(ル・フォール手術)
腟を閉じてしまうと、出て来ないだろうという方式です。
腟の前後の壁を縫い合わせてしまう(表面の粘膜をはがした後)手術を腟 閉鎖術と呼び、その一つに、ル・フォール手術があります。
術式が単純で、高齢者にも安全に行えるという考え方があり、今も広く行われています。
デメリット:腟を閉じてしまうので、セックスはできなくなる。
子宮がんの検診などはできなくなる。子宮に分泌物等がたまる可能性がある。手術後に、尿漏れのがひどくなる可能性がある。
「出口を閉じてしまえばもう脱出することはありません」という説明を受けて、手術をうけられるケースが多いようですが、閉じられた前後の腟壁ごと脱出してくるケースもあるよう。
膣閉鎖術を受けたあと、突っ張って痛いと訴えて来られた方に対して、腟を解放する手術を行うこともあるようですが、閉じるのは簡単でも、解放するのは大変と言う見解を持つお医者様もいらっしゃいます。
手術の術式の教科書には、手術の術式は書いてあっても、再発した時の腟の解放の術式は書いていないのだそうです。
Dr.sammy
『腟閉鎖術の功罪』骨盤臓器脱の手術として比較的気軽に行われている術式に「ル・フォール手術」があります。腟から子宮や膀胱が脱出してくる病気を骨盤臓器脱と呼びますが、その治療の考え…
2,経腟(膣式) メッシュ手術(TVM手術)
メッシュの入れ方は、①膣の中から入れる(経膣(膣式))か、②お腹から入れる(1,開腹手術10センチ程度または 2,腹腔鏡でごく小さな傷のみ)という2通りの方法があります。
ちなみに、メッシュは、体内に入れた後に多少縮むことがあるようです。
経膣 メッシュ手術は、膣の中から膣壁を切ってメッシュを張る方法です。
痛みや、後々、メッシュの露出(メッシュびらん)が起こるケースがあると言われます。
別名を、「メッシュ使用の経腟的 骨盤臓器脱 修復術」とも言います。
TVMとは、「Tension-free Vaginal Mesh」(緊張のない膣メッシュ)の略です。
メッシュとは人工素材を網状に縫い込んだもので、筋膜の代用としてこれまでヘルニア手術などで広く使われてきました。
人工素材だけに、異物としての欠点もありましたが、素材の改良が重ねられ、骨盤臓器脱の治療にも応用されるようになってきました。
特に2004年にフランスの婦人科医によって開発された方法(TVM手術)は合併症や再発が少なく(フランスのデータでは3~6%の再発)、日本でも2005年頃から行われるようになりました。
経腟 メッシュ手術(TVM法)の合併症の具体例としては、出血や膀胱や尿管、直腸の損傷が挙げられます(約2%)。
手術直後には、血腫(1.7~3.4%)ができることがあります。手術後に、尿失禁が出現することもあります(5%程度)さらに頻度は少ないですが、一時的にお小水が出しにくい(尿閉)ことが起こることもあります。
長期的には、メッシュが膣壁からでてくるメッシュびらんが約6~7%におこるとされています。
再発が少なく、突っ張り感などの違和感が少ないという利点があります。
腹腔鏡を要する場合の切開は、膣壁(ちつへき)以外には、股部と臀部に5mm程度、4~6箇所行うだけなので、傷は全く目立たないそう。
手術後は、約7日間の退院が目安です。保険が適応となり、値段は、概算で23万円ぐらいの負担となります。
メッシュ手術(TVM手術)の術後で注意することは?
腹腔鏡での手術後は、開腹手術などと比べて早く回復し、2週間もすると身の回りのことは不自由なくできるようになります。
しかし、これで安心はできません。手術後最も大切なことは、骨盤臓器脱の再発予防のために、腹圧をかけない生活を心がけること。
手術後に少なくとも2ヶ月は、3kgよりも重い物を持つことは控えるように指導を受けます。
慢性の便秘のある方もいきむ際に腹圧がかかるので便通に注意するよう指導を受けます。
再発予防に、かかとを上げながら、肛門を10回ほど反復して締める骨盤底筋体操も有効といわれることがあります。(日本医科大学付属病院様)
メッシュ手術(TVM手術)の術後、もし再発したら?
メッシュ手術(TVM法)の再手術は行えません。
脱出の程度が強ければ、腹腔鏡または開腹下に、膣壁を仙骨にテープで固定する膣壁仙骨 固定術を行います。TVM法と比較して、成績にも遜色はなく、腹腔鏡で行えば患者さんへの体の負担は抑えられるようです。(日本医科大学付属病院様)
補足:ちなみに、メッシュ手術(TVM法)について、以下のような研究論文の結果もあります。
結論:標準化されたトロカールガイド下メッシュキットによる膀胱瘤の修復は,前 腟壁形成(従来法)に比べて,短期的な治療成功率は高くなったが,手術合併症と術後の有害事象 発生率も高くなった。(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00566917)
The New England Journal of Medicine(NEJM)
骨盤臓器脱に対する前腟壁形成術と経腟的メッシュ手術との比較 | 日本語アブストラクト | The New England Journal of Medicine(日本国内版)「The New England Journal of Medicine 日本国内版」は, 必要な論文に簡単にアクセスできるよう主要論文アブストラクトの日本語訳を提供します.
TVM手術の「メリット」まとめ
1、「手術時間が短い(1~1.5時間)」
2、「再発が少ない」
※ ご高齢で(およそ70歳以上)、性交渉があまりない方が対象になることが多い。
TVM手術が向いている方とは
1、心臓などに持病があり、長時間の手術に不安がある場合など。
2、もともとそれほど活動性の高いほうではなく、術後の安静が守れるケース。
3、セックスの頻度が低い。
4、子宮脱はなく、膀胱が主に脱出していて排尿障害が強い。
TVM手術の「デメリット」まとめ
1、「術後の性交痛が出現することがある」
2、「約3ヶ月ほど、比較的安静が必要」
※ 比較的若年で、(およそ60歳以下)、肥満がなく、性交渉のある方には勧めない。
3,腹腔鏡下 仙骨膣 固定術(LSC手術)最新方法
3,の「腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術」の腹腔鏡下とは、腹腔鏡を使用するという意味です。
メッシュを使用する方法と、テープを使用する方法があります。
別名を「腹腔鏡下 骨盤臓器脱 修復術」「腹腔鏡下 膣壁 仙骨 固定術」「腹腔鏡下 腟断端 仙棘靱帯 固定術」と呼んだりもします。
仙棘靱帯(せんきょくじんたい)の写真を追加してみました↓
骨盤を後から見た状態での仙棘靱帯の位置です。オレンジの部分です。
(骨盤模型にビニールテープを貼って、オレンジに塗ってみました)
前から骨盤を見たときの仙棘靱帯の位置です ↓
拡大すると ↓
骨盤横向きの写真 ↓
腹腔鏡下 仙骨膣 固定術は、2017年現時点で、骨盤臓器脱(子宮脱 膀胱脱 直腸脱)の最新治療と伝えられると思います。
腹腔鏡下 仙骨膣 固定術 = LSC(Laparoscopic Sacrocolpopexyの略)といいます。
LSCで、国内トップクラスの治療実績を持つ昭和大学 医学部 産婦人科学 講座の石川哲也先生のインタビュー記事詳細は、 https://medicalnote.jp/contents/161011-005-XA からご覧頂けます。
要約すると、腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術の一番の特徴は、再発率が低いということ。
古典的な手術(従来法)では、緩んでいる膣全体を縫縮(ほうしゅく・縫い縮めること)するという手術を行っていました。
伸びた靭帯を切って寄せるような形で縫い縮める手術ですが、時間が経つとまた伸びてきてしまうという問題がありました。
実際に20年近く行ってきた方法ですが、文献によって違いはあるものの、その再発率は多いもので4割とも7割ともいわれたりもします。
腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術(LSC)の手術スケジュールは、1週間(6泊7日)程度のようです。
一般的な手術のスケジュール
手術前日: 手術についての説明
手術当日 手術前: 手術に必要な処置(点滴、血栓予防のストッキング着用など)
手術:全身麻酔で行います。
手術後:お部屋で安静に。おしっこをだすための管が入っています。
手術翌日:問題が無ければ、食事・歩行。血液検査・手術部位の確認。
手術後3日:おしっこの管を抜きます。
手術後6日:再度、血液検査、排尿検査。退院後の注意点の説明。
手術後7日:退院
特に、ヨーロッパなどで若い女性には、LSCがよいとされているようです。
腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術(LSC)は、
1,比較的若い(60歳以下)骨盤臓器脱の方
2,過去に他の骨盤臓器脱の手術を受けて再発した方
3,子宮を摘出した後の膣断端脱がある方
に進められるようです。
腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術(LSC)は、経膣(膣式)メッシュ手術(TVM)や、それ以前の古典的な膣 縫縮手術を受けて再発した骨盤臓器脱にも有効です。
現時点で、再発症例を治すことができる手術は、LSCだけのようです。
腹腔鏡下で行う場合は、5mmの3か所と、12mmの傷1か所、合計4か所の傷だけで済むようです。
実際に腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)とLSCの際にできる傷のイメージ
子宮脱の最新治療「腹腔鏡下仙骨膣固定術」とは-子宮脱の治療はリング挿入や骨盤底筋体操だけではない子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療において、再発が少なく現在もっとも推奨される外科手術が腹腔鏡下仙骨膣固定術(LaparoscopicSacrocolpopexy;LSC)です。従来の術式と比べてどのような点が優れているのか、どのよ...
メッシュの種類 歴史
メッシュの種類は、進化してきています。今回は、腹腔鏡下仙骨膣固定術のメッシュについて順に。
「Y型メッシュ」(膣管上部の前後を補強できる。不十分で再発が意外と多い) → 「ダブルメッシュ」(膣管のほぼ全域をメッシュで補強できるため、再発が非常に少ない。膣管の前後に2枚のメッシュを使用)
腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術(LSC)のメリットまとめ
1、「再発が少ない」
2、「合併症が少ない」
3、「手術後の痛みが少ない」
4、「手術後の性交痛の出現がほとんどない」
5、「手術後1週間で日常生活に戻れる」
LSC手術が向いている方とは
1,活動的な毎日で、退院したらすぐ元の生活に戻りたい。
2,術後のセックスライフも大事にしたい。
3,「子宮脱」が主体である。
4,かつて骨盤臓器脱に対して膣形成術やTVM手術を受けたことがあり、再発した場合。
腹腔鏡下 仙骨 膣 固定術(LSC)デメリットまとめ
1、「尿漏れや尿閉が起こったりすることがある」
2、「手術時間が長い(2.5~4時間)」
3、「肥満の方には、手術が難しい」
その他の治療方法
TFS手術
尿漏れ手術を骨盤臓器脱手術にも適応した形の手術です。
現在のところ、保険適応はなく実費治療となり30万円+税程度の費用となります。
日帰り手術もあるようです。
レーザー光線治療
膣からレーザーを当てることで、粘膜にあたらしい細胞がうまれてくることを促します。
これによって、膣を引き締めることにつながるという理論です。