骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)とは?
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)とは、「骨盤の中の臓器」が骨盤の下(膣や肛門)から、外に出てしまう症状です。
「骨盤の中の臓器」とは、膀胱、子宮、直腸、小腸です。
※ 2017年12月21日 加筆修正
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)の種類は?
子宮脱、膀胱瘤、尿道瘤、直腸瘤、小腸瘤
この臓器が骨盤の底から出てきてしまうとでてくる症状・種類は、「子宮脱(しきゅうだつ)」「膀胱瘤(ぼうこうりゅう)膀胱脱(ぼうこうだつ)」「尿道瘤(にょうどうりゅう)尿道脱(にょうどうだつ)」「直腸瘤(ちょくちょうりゅう)」「小腸瘤(しょうちょうりゅう)」です。
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)の症状は?
尿漏れ(尿失禁),おしっこが止まる(尿閉),尿がでにくい(排尿困難),頻尿(トイレの回数が多い)
骨盤臓器脱の種類にもよりますが、膀胱脱(膀胱瘤)では、「尿漏れ」(尿失禁)、「おしっこが止まる」(尿閉)、「尿がでにくい」(排尿困難)、「頻尿」(トイレの回数が多い)など。
直腸脱(直腸瘤)の場合は、「排便が難しい」(排便困難)、便漏れ、便秘など。ひどい場合は、排便の時に、膣の中に自分の指を入れて、出ている直腸を手で押して戻してあげないと排便できないケースもあります。
子宮脱(性器脱)の場合は、「陰部の違和感(引っ張られているような、重苦しいような)」「異物感」「痛み(下着と擦れて)」などがあります。
「一般的な」原因は?
出産の有無、加齢、肥満によって起こると言われています。
実際にお客様のお声を聞いていますと、これらに加えて、立ち仕事を長時間している、低体温である方が多い印象です。
「整体師の視点として」の原因2つは?
整体のプロ専門家の立場から一つの見解をまとめますと、大きな原因2つは、「骨盤底筋の衰え」と、「腹圧の増加」と感じています。
出産されていて、50歳以上の方が多い感覚があります。なぜ、骨盤底筋の衰えと、腹圧の増加が原因であると思うのか?というと、ご高齢者であっても、骨盤底筋を鍛えてあげると出ている子宮や膀胱がへっこんでくる(元々の位置に戻る)ケースが多いからです。
同時に、過剰な腹圧が下がるようにしてあげられると、出ていた臓器がさらに元に戻りやすくなるからですね。
骨盤臓器脱のMRI動画
いきんだとき(腹圧をかけた状態)でどのように変化するかの動画です。
身体を縦半分に切って、横からみたときの状態です。
正常のMRI動画
膀胱脱(膀胱瘤)のMRI動画
直腸脱(直腸瘤)のMRI動画
子宮脱(性器脱)のMRI動画
小腸瘤・膣断端脱のMRI動画(子宮摘出後の方)
MRI動画まとめ
MRI動画まとめ:正常の場合は、いきんでも大きく下垂することはないですが、骨盤臓器脱の方は各臓器が大きく下垂することがおわかりかと思います。
骨盤臓器脱で一番多いのは、「膀胱脱(膀胱瘤)」
骨盤臓器脱の中で多い種類は、順に、「膀胱脱(膀胱瘤)」→「直腸脱(直腸瘤)」→「子宮脱(性器脱)」です。
ひどくなりやすい姿勢とは?
立った状態で、床に落ちている物を拾うときの姿勢(膝を曲げて前かがみの姿勢)だと臓器が出やすくなるという方の声をよく聞きます。
日常生活でこの姿勢をしないでいるということはなかなか難しいと思います。
骨盤ベルトを骨盤の下側に心地よく巻いておくだけで、前屈みの姿勢にしても「でていた臓器が出にくくなった」というお声はたくさんございます。
症状がでにくい姿勢とは?
上向き(仰向け)に寝転んで、膝を曲げ、腰を浮かした状態 腰の下にクッションや枕などを入れて高くします(骨盤高位(こつばんこうい)といいます)です。※ 腰痛のある方は無理をせず、心地よい範囲で。
この骨盤高位の姿勢で、でている臓器が元に戻りやすい場合は、骨盤高位で骨盤底筋体操(こつばんていきんたいそう)ができるとよいのですね。
骨盤臓器脱が起こる順番
骨盤臓器脱の種類にもよりますが、膀胱脱(膀胱瘤)では、まず尿漏れが最初に始まり、その後に膀胱脱(膀胱瘤)が起こりやすいです。
直腸脱(直腸瘤)の場合は、「排便が難しい」(排便困難)から始まって、便漏れ、その後に直腸脱が起こるケースがあります。
子宮脱(性器脱)の場合は、子宮下垂が最初にはじまり(「股の間の違和感(引っ張られているような、重苦しいような)」「異物感」からなど)その後に、子宮脱(性器脱)が起こることが多いです。